アメリカでは言葉を使ってズバリと表現する

2016年9月4日日曜日 アメリカ 日本

アメリカの友人に「アメリカ人は考えなくてもしゃべる事ができるよね?」と言うと結構大うけで「お前はアメリカ人がよくわかってる」といわれました。

アメリカに来た時は英語は全く苦手で、話すこともなかなかできなかったです。特に英語の使い方にあまり敬語が取り入れられないところに苦手意識がありました。

また自分の言いたい事がうまく表現できず、こちらがいいたい事が相手に理解できないと「お前なに言ってんだ?わかんないよ?」とはっきり言われますから、慣れてないと「俺のこと変に思っているんじゃないか」「あ、バカにされている」などと思い始め、こちらももう言う気がしなくなってきます。

さらに日本語の持つあいまいな表現をそのままダイレクトに英訳しても全く意味を持ちませんからそれに気がつくまで時間がかかりました。日本語で一文で言い表せることは英語では三文くらいは必要だということなんです。その一文の前後関係、背景などを説明しなければ通じないようです。

ところがアメリカ人も仲間内になればなるほどあいまいな言葉も多くなり「もう、俺とお前はわかってるじゃん」という関係で話されると、使われる言葉も漠然として聞いていても何をいっているのかわかりにくくなります。 ちなみにあの黒人特有のラップ、それの歌詞の意味がちゃんと聞き取れているのかと友人の白人のアメリカ人男に聞いたところ、「いいや、わからない。(おそらく下品だから?)わかりたくもない」などとそっけない答えで少し安心しました。


アメリカでは特に表現することに対しては教育でもかなり注意を払っており、ディベート(討論)にも力をいれています。また、とにかく作文を良くやるので英語で理論立てて考えることになれているところがあります。特に英論文になると一文一文が意味を持ってつながりをもたねばならず、かなり理論的な構成になっています。

例えば特徴として結論が最初に来る事が多く、一段落ごとにその言いたい事の部分がその段落の最初に来る事が大部分で、段落の最初だけ読んでその本のあらすじを理解することができるように構成されている事が多いようです。とにかく多くの本を読まされるのでそのような本を読むコツを学んでいなければ、その決められた範囲をカバーすることができません。

アメリカ人などはそのような教育を受けているので比較的自分を表現することが得意であり、その辺の人にマイクを向けて意見を聞いてもすぐにぺらぺらと自分の意見を堂々と述べる事ができます。

それは若者でもできるので、私も当初はなんて皆頭がよくてしっかりした考えを持っているのだろうかとうらやむやら感心するやらでした。なにしろ比較すればあまりにも日本の若者達ははっきりと理論立ててモノが言えませんものね。

まあ、しかししばらくして彼らの立派な発言とは裏腹に実際の生活態度や行動などを見ていると中身が伴わず、「なあんだガッカリ(笑)」というものが多くなってきました。まあ、つまり口だけって・・・・(笑)。まあ、単に訓練を受けているので考えなくても素晴らしい言葉が飛び出すようになっているということなんだなと思うようになりました。それで冒頭の言葉の意味が理解していただけたと思います。

それにしてもアメリカでは言葉を表現するということにあまりにも重点が置かれすぎて、そこに関心が集まりすぎているところがあります。


言葉巧みに操る事ができる人ほど、多くの人から受け入れられ支持されて人気を得て得をするという傾向があるように思います。高いお金を払って有名弁護士を頼むと有罪も無罪になってしまうというのはよく聞かれる話です。世の中で成功するのは表現するということに長けた人たちであり、それができないことはかなりのハンデを背負ってしまうということになります。

そして言葉では言い表すことのできないあいまいな部分・感性の部分は見捨てられたり見逃されたりしていることも多いのだろうなと思います。それゆえそれを物足りなくなった一部の人はネイティブアメリカンの思想を学んだり他の国の思想を学んだりするのでしょうね。

あるとき私を入れて彼らに禅寺の話しが話題に取り上げられていました。それはいかに禅寺の修行者たちの言動(禅問答)が不可解かという話題でした。確か禅寺でアメリカ人の僧侶がついている師匠に頭を叩かれてしまったシーンについて、私が「そこでは私達(日本人)は『(意味が)深い』というんだよ」と言うと、彼らは大爆笑でした。私の言葉が全くジョークとしかとらえられなかったようです。

私がアメリカで生活してみてはっきりとしたのは、西洋文化の言葉で物事や人の心を切り取りしてそれのみにとらわれるやり方には人間に不平等をもたらしたり偏向をもたらしたりして人間の本質的平等を保つのに限界がある、ということでした。私は言葉でうまく表現できず、不当な扱いをされた体験をしたからこそわかるわけであって、そんな体験をしたことの無い多くのアメリカ人には理解できないことでしょう。特に他から学ぶという謙虚な姿勢が極端に薄い国でもあります。そしてアメリカはその手法を世界的に押し付けてしまっているようにも感じられます。

日本人においては討論することに感情を持ち込みすぎたりして苦手なところがあります。表現方法において日本人はもう少し学んだ方がよい、とよく言われるところですが、言葉は巧みでなくとも日本も少しずつ外面的なものに価値をおく傾向が出ているようですが、もっと感性を大切にすることを忘れないようにしたいと感じます。
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書いてる人

現代人の恋愛事情に根ざしているものは、国と時代を超えて語り継がれてきた古典的な恋愛論だと思います。
学生時代は心理学を含めて学術的に恋愛を分析する機会が多かったと思います。こんな私も結婚して既婚者となりました。結婚する前にすべき思考が暗礁に乗り上げるように恋愛論、結婚論について書き進めています。純でガチガチの恋愛ブログです。

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