相手に共依存してしまうタイプの人間関係
自分の人生を考えていくと次にどうしても人と人との依存関係である「共依存」というものについて考えてしまいます。「依存症」は「嗜癖」とも言われ、それは「物質嗜癖」(薬物・食物などの物質に関する)、「過程嗜癖」(ギャンブル・買い物などの行為に関する)そして「人間関係嗜癖」があるそうですが、「物質嗜癖」と「過程嗜癖」の根底には「人間関係嗜癖」つまり「共依存症」が横たわっているということだそうです。深刻な問題の場合はもちろん専門家に相談する事が必要だと思いますが、この「共依存」を考えると「自分の人生」について今までどれだけこだわっていたのかを考えさせられます。共依存の特徴を並べ立ててみます。
- 自らを犠牲にして相手を助けたり、世話したりする。
- 自分のことより、相手の世話のほうを重要と思い込む。
- 自分が相手にとって必要な存在になることや、感謝されることを無意識のうちに期待する。相手からのお返しが来ないと憤慨する。
- 相手の行動、感情、考え方、状況、結果を変えようとコントロールする。
- なだめたり、怒ったり、頼んだり、罪の意識を植え付けたり、アドバイスしたり、丸め込んだりして相手を変えようと工夫する。
- 問題や危機が起こっているような状況や人間関係に身を置きやすい。
- 不安定な人とでないと空虚感があり、信頼できないような人に無意識にひかれる。
- 依存心が強く、一人でやっていけるという自信がない。
- 一人でいると不安で、誰かを必要とする。考え方、視野が狭い
- 地域社会、自然などへの関心がうすくなる。自分と相手だけの狭い世界。
- 現実や事実の否定、否認をする。問題を受け入れず、隠そうとする。コミュニケーションの技術にかける。
- 自分の言いたいことを言えず、ノーといえない。
- 相手や他人の話が中心になり、自分を主体にする話し方ができない。
- 相手と自分の境界線がはっきりしない。
- 相手からの心、性、身体の進入を許したり、相手の問題に入り込んだりする。
- 相手の落ち込みで自分も落ち込んだりする。
- 自分のからだから出るメッセージに気がつかない。
- 適切な怒りの処理の仕方がわからず、突然怒りを爆発させたり、弱いものに八つ当たりする。
- 忍耐強く待つ事ができない
- せかせかと動き回って余分な心配をする。長い目で見てじっくりプランをたてて静かに待つという事ができない。
- 相手に欠点を指摘されるとすぐに鵜呑みにする。相手の問題を自分のものだと思い込む。
- 自分が変われば相手も変わるとおもう。
- ものごとを極端にとらえ、ほどほどにするということができない
- 白か黒かをはっきりしすぎる。
- 同じ間違いを繰り返す。
- 被害者意識にとりつかれる
- 自分のまわりに害があるのに、波風を立てないようにしようと四苦八苦する
- 愛情としがみつきを取り違える
- 愛するということは、相手との人間関係にのめりこむことや、胸がドキドキして相手から離れられなくなることだと思い込んでいる。
- 恐そうな相手、権威ある相手、先生、上司、役人、怒鳴る男などの前に出るとびくびくしてしまう。批判されたり、認められないことを恐れる。
- 理想論、ファンタジー、社会のおきてにとらわれる
- 「〜すべきだ」という建前的な理想論や道徳論にとらわれたり「相手はきっと〜するだろう」「こうなるはずだ」というファンタジーや、「社会がこうだから」「みんながああ言うから」と、社会のおきてやまわりの人のせいにしたりする。
- 相手の気分を敏感に察して、先へ先へと頭を働かせる
- そればっかりに集中して現在のことがつかめなかったり、今の人生を楽しむ事ができないでいる。
- 嘘をつかなくてもよいときに嘘をつく
- 自分に対して正直になれない
- 自分の力を信じず、相手に幸せにしてもらいたいと思っている。
- 自分の人生の目的や、自分はいったい誰なのかがはっきりせず、自分を大切にできなかったりする。自分を肯定し受け入れることができず、自己主張ができない。
いくら「「オレは孤独がすき」と言ってみた所で誰かとの係わり合いは必ず必要になるのでしょうが、共依存関係はお互いを支えあい高めあうような健全な関係と異なるようです。
「私はあなたが必要」「お前にはオレが必要」と言いながらそのような支えられ支え合う位置を取ることによって自分の存在理由や価値を見出そうとするパターンを作りたがるのが共依存です。
一見それは美しい人間関係にも見えたりしますが、心の中は「あるがままの自分」を受け入れてもらえなかったなどの実感の過不足を埋めるために他人を一方的に利用しているに過ぎず、特徴的なのは傷つけあっているのにお互いが離れられないという関係が見られるということです。
アルコール中毒の人の家庭などにそのような人間関係が見られたりするということで取り上げられるようになったようです。他者を自分の心の中に引き込んで自分を成り立たせる、ということでしょうか。
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