無償の愛を求めて…

2016年6月15日水曜日 無償の愛

父親・母親の愛情が子供に対して充分ではなく子供が成長した場合、その不足分を自分も知らずのうちに恋人に求めるようになっていきます。女ならば家庭の中で物足りない父親の愛情を男の恋人に潜在的に求めるようになります。

その家の母親が無償の愛を十分に与えきれていない場合、子供が父親に無償の愛を求める傾向はさらに強くなります。
ところが父親が仕事などで忙しく十分にかまって上げられないときは無償の愛の不足が起きてしまいます。そしてこの不足分が異性に向かうことになります。 

そこには親としてあってほしい、「全てを受け止めてほしい」という、無償的な愛を異性に求める傾向が強くなってきます。

その裏返しは私のお父さんとしての役割も果たしてちょうだい、というメッセージが込められています。

果たして男がそのような父親としての役割も果たすことができる無償的愛情を持ち合わせているんでしょうか。たまたまそういう人にめぐり合わせればそれは本当にラッキーなことだと思います。

しかし残念ながら、若い男がそのような無償的愛を持ち合わせていることは少なく、「自分を受け止めて」という強烈なメッセージに最初は喜ぶものの、その一方で戸惑いと不安を感じます。そのような責任を持つにはあまりにも未熟だからです。そして自分がその愛で縛られそうになるがつらくなり、やがて別れはおとずれます。

これは本人が「自分は愛されてなかった」という自覚がないときにも、潜在的に愛の不足があれば家庭を持ったときに「子供がえり」という形で相手にあらわれたりします。

そして赤ちゃんが母親に無償の愛を求めるようにその相手を強力に縛ろうとすることもおこります。

家庭内での愛の不足分は昔は近所の人々との付き合いのなかで補われていたんですが、やがてお互いの付き合いが疎遠になり地域社会での人間の情緒を育てる場が失われてしまいました。 

つまり近所に代わりとなる父母兄弟が昔はいたのですが今はそれが失われつつあります。

基本的に情緒不安定の人が増え、そのためその不足分が全部付き合う異性に向いてしまうので、失敗も多く本来ならば何回も関係を持つ必要がないのにそれを繰り返すような風潮ができてしまいました。 

今唯一の日本での社会的コミュニティは学校だと思いますが今後それをどうするのかがカギになるでしょう。そして親も決してそれを無視できないと感じます。

もし悲惨な家庭環境に育ってしまえば、自分の心のよりどころを見つけるのに昔以上に本当に苦労しなければならない時代だと感じます。

と、まぁえらそうな事(以前いろんな人を見てきた体験から)を書いていますが(笑)、充分に親が愛を与えたと言う基準はないでしょうし、子供が充分に満足しているということもあんまりないんじゃないかな。親、または誰かの与えてくれた愛情をヒントに自分の内にある「愛」を引き出す(想起)事が出来れば、愛することはできるかもしれませんね。ただどのように愛したらいいのかはちょっと見本がないとすぐに出来ないことでしょうけど。

自分のパートナーに対していつの間にか「無償の愛」を求め、そしてその不足分からいつの間にか相手に腹を立ててしまったり、すねてみたり。よく考えたら目の前の相手は自分の「パパ」でもなく「ママ」でもない。別の人格を持った別の人なんですよね。一緒に生活するとともに「他人」の垣根を越え肉親のように無償の愛を求めはじめ、そこからいつの間にか二人の間に「愛されてない・・・」という恨みが積もり始め、セックスレスや会話の停滞、小言が多くなり二人の間にはロマンティックなムードからほど遠くなってしまうのですよね。

しっかりと相手と自分の「境」を持って 相手は「一人の人間」としての自覚して生活したいものです。
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書いてる人

現代人の恋愛事情に根ざしているものは、国と時代を超えて語り継がれてきた古典的な恋愛論だと思います。
学生時代は心理学を含めて学術的に恋愛を分析する機会が多かったと思います。こんな私も結婚して既婚者となりました。結婚する前にすべき思考が暗礁に乗り上げるように恋愛論、結婚論について書き進めています。純でガチガチの恋愛ブログです。

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