無償の愛 彼氏が…になったらあなたは?

2016年5月15日日曜日 無償の愛

無償の愛とはよく耳にする言葉です。

愛は与えて与えられる関係だから成立するんだというギブアンドテイクの議論に異論はありませんし、たとえ愛する者の犠牲者となっても愛することをやめない行動は究極の愛であることにも異論はありません。

ただし、議論として無償の愛を語ることはたやすいのですが、自分の人生にこの無償の愛を取り入れて生きることは、どれほど内なる声に耳をかたむけようとも「困難」であることしか思い浮かばないのが正直なところです。むしろ、私には無償の愛が宗教的なニュアンスが響く言葉であるようにさえ感じます。

ところで、ブラッド・ピット主演の「セブン」の結末に大変ショックを受けたことがあります。連続猟奇殺人を追っていく刑事の主人公が7つの罪を処罰するという犯行が次々実行されていく中で、最後に自分がその犯人を殺害することによって罪が完成されるという話です。最後に愛する妻が胎児とともに犯人に殺されていた(これがショッキング!!)ことを知り、犯人を許せず殺してしまうのです。しばらくこの余韻の糸が後まで引いていました。自分がもし当事者だったらどのような感情がわくだろうかと考え続けたのです。

〝セブン〟のようなことは、イスラエルとパレスチナなどでは日常的に勃発する出来事だろうし、パレスチナ問題同様…許し愛することができないために延々と問題がこじれている紛争は世界中に見られます。しかしこれは誰かが介入しなければ問題を解決させることはできません。もっとも、その解決手法は簡単ではないことは周知の事実でしょう。

地球上には無償の愛を実践している人々もわずかですが存在します。また局部的、つまり家族・親戚間などの間でも、

例えば母から子供、子供から寝たきりの親へなど無償の愛が実践されているケースはあります。



ロシアの文豪の作品にはよく「私は全人類を無条件に愛しているのに、隣人は愛するこ
とができないんです!」と訴える婦人の話がでてきます。つまり身近な他人という関係になるとその相手のもっている気に入らないところを許し、受け入れることができないということです。ちなみに、ネットの世界はバーチャルなので私たちは「世界の人々」に属しており、私たちの本来の心が現され居心地は悪くないようです。

しかし現実の人間関係(経済的問題は抜きとして)のトラブルを解決するのはこの無償の愛を少しでも発動させるということ以外にはありません。もちろん心理学的テクニックをつかうこともある程度は役に立つと思いますが…。人を生かすも殺すもそれひとつだと思います。もし「無償の愛」について聞いたことも考えたこともないならば、一度考え、頭の中でシュミレーションしてみるだけでも違うと思います。


彼女(彼)の顔が事故で無残な状態になったら…彼女(彼)が太ってしまったら…彼女(彼)が年をとって息も臭くなってしまったら…彼女(彼)が実は人を本気で愛することができない欠点をもっていたなら…彼女(彼)が浮気するようになったなら…彼女(彼)が子供と私に暴力をふるうようになったら・・・・

今、愛している相手に対して最低のことをイメージしてまったく愛情が湧けないようだっ
たら・・・ 今のその関係は一体なんなんでしょうね。

そのような愛情がかれることがありえないすばらしい人との出会いを求め自分を磨くよ
うに努力するか、もしくは愛情がわくように努力するか、いずれにせよ自分自身のあり
方に関心をもつことが第一だと思います。


無償の愛を実践している模範的な例と言えば・・・

マザーテレサのところの修道女があげられますよね。しかし、彼らの愛はやはり究極としか言いようがありません。死に行く人に笑顔で接する姿勢、もしも、逝く直前に失禁があったりして、瞬間に、少しでも顔をゆがめたりしたら……。横たわり死を待つだけの人は、そのゆがんだ表情をみて逝くことになります。そういえば看護師や介護職の人たちも職業的に遭遇する場面かもしれませんね。であるなら、無償の愛というと修道女の姿を連想しやすい反面、身近な場所でも日夜繰り広げられているのが無償の愛であるという言い方もできそうです。

では恋人同士、夫婦間では?恋人同士では脳内分泌液によってハイになっているので「
キミのために死ねる!」なんてのは朝飯前かもしれません(笑)。ところがそれがさめてしまった夫婦の間ではいよいよ食べる姿も気になってきたりします。そう考えれば、案外、最も愛を実践しにくい相手が夫婦関係なのかもしれませんね。果たしてそんな関係に無償の愛を実践できたと言う体験を得られるのか? まさにそれが、結婚の最大の課題かもしれません。
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書いてる人

現代人の恋愛事情に根ざしているものは、国と時代を超えて語り継がれてきた古典的な恋愛論だと思います。
学生時代は心理学を含めて学術的に恋愛を分析する機会が多かったと思います。こんな私も結婚して既婚者となりました。結婚する前にすべき思考が暗礁に乗り上げるように恋愛論、結婚論について書き進めています。純でガチガチの恋愛ブログです。

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